毎年、春と秋に何十億羽もの渡り鳥がアメリカの空を飛んで南へ行きます。
その多くが夜の真っ暗な空を飛んでいきますが、目的地まで行けない鳥が沢山います。
その原因は、街中の街灯。街中の明かりで南へ行く方向が分からなくなる、また、明かりに引き寄せられ目的もなく、ぐるぐると飛んでいるうちに力尽いてしまい、ビルに突っ込んでしまう。このようにして、毎年3億から10億の渡り鳥がビルに激突して死んでいます。
2017年、テキサスの南の地域Galvestonにある、32階建ての高層ビルに突っ込み死んでしまった鳥が1週間で約400匹もいたとのことです。このビルの floodlights という下から空を照らす街灯の光に渡り鳥が迷ったのが原因。最終的に、このビルはfloodlights を消すことにしたそうです。下が電気を消す前と消した後の写真。
ダラスでも、多くの渡り鳥が死んでいます。
greensourcedfw.comが記録した、ダラスのダウンタウンの渡り鳥の死亡の数は、2020年9月10日から17日の1週間で約30羽。それらの鳥の種類は、ワーブラーというスズメ科の鳥や、ハチドリやムクドリ科の鳥。
アメリカの上を通って行く渡り鳥にとって、ダラスは全米で最も危険な都市の3つに入るという。他は、ヒューストンとシカゴ。その理由は、北アメリカの中心にある空の道である上、スプロール化する都市だかららしい。
専門家によると、春にアメリカの空を飛んで行く渡り鳥の3分の1がテキサスの空を通って行き、秋には、10億もの鳥がテキサスの上を通って行くそうです。
Light Out Texas
渡り鳥を守る団体Light Out TexasのスポンサーであるTexas Conservation Alliance, the Cornell Lab of Ornithology, the Dallas Zoo, それとthe Perot Museumは、毎年、春と秋にアメリカの上を飛んで行く渡り鳥たちが、街灯の明るい光によって死んでいるということを人々に知らせています。また、ビルの経営者や所有者、住民たちに渡り鳥の時期は、外の電気と高層ビルの部屋の中の電気を消すようにと呼びかけています。
その時期とは、9月5日から10月29日までの間で、夜の11から朝の6時まで。この期間に、10億もの渡り鳥がテキサスの上を飛んで行きます。
つまり、テキサスの住民が、この時期のこの時間帯に電気をつけないだけで、渡り鳥の命を助けられるということです。
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