仕事で海外駐在することになり家族をつれてアメリカに来る日本人家族。外国に住む素晴らしいチャンスを与えられた日本人たちのアメリカ生活はいかなるものか、興味深いものです。テキサスのダラス周辺に住んだことがあるマミさんにお話を聞かせてもらいました。
「子供たちの英語力向上に、プレイデートと読書がすごくよかったのではないか」
1.まずは、自己紹介からお願いします。
はじめまして、マミです。夫の駐在に帯同し、約4年間ほどテキサスで過ごしました。
現在、中学1年生と、小学5年生の娘がいて、猫を二匹飼っています。日本からアメリカに猫達を連れて来ましたが、とても大変でした。(特に帰国時)
2022年夏に帰国し、帰国当初は、少しでもいいから英語にかかわる仕事をしたいなと思っていましたが、、なかなか現実は厳しく、、、
現在は事務の仕事をしており、残念ながら私自身はどんどん英語から遠ざかっています。
2.テキサス生活はいかがでしたか?お話を聞かせてください。
2022年まで4年間ほど、テキサスのフリスコ市で生活しました。
来た当初は、海も山もないテキサスは、少し退屈だなと思いましたが、テキサス、特に北ダラスといわれる地域の魅力をどんどん知っていくうち、本当に大好きな場所になりました。フリスコは新しい街で、治安もよく、教育環境も整っていて、とても暮らしやすい町でした。
他州から移住してくる人や若いファミリーたちが多く、経済発展真っ只中という感じだったので、古き良きアメリカを知るというよりは、まさに今のアメリカの経済成長をを肌で感じる、という環境でした。正直もう少しアメリカ文化を感じたかったなという気持ちもありますが、もう一度テキサスに帰れるなら間違いなくフリスコを選びます。
3.アメリカに初めての学校に通った第1日目から帰国するまでの様子をお話してもらえますか?
海外駐在が決まってからあまり時間がなかったので、子供たちはほとんど英語が理解できないまま現地校に行くことになりました。初日は、色々なセンテンス(トイレに行きたい、おなかが痛い等)を日本語と英語で書いた単語帳を持たせましたが、とても役に立つとあとで担任の先生に言われました。
先生は次女が言いたいことが伝わらず泣いている時に、そのセンテンス帳を使って次女に今何をしたいのか、聞いてくれていたそうです。
引っ越し当初は、夫も私もほとんど英語が話せなかったので、夫と同じ会社の方のお子様が通う現地校学区に家を借り、次女は同級生の日本人のお友達に頼りっぱなしでした。
長女は幸運にも2日目からインド人のお友達ができたのですが、シャイな性格もあり1年間全く英語を話さず「Yes,No」で乗り切っていたそうです。
子供たちの英語力に転機が訪れたのは渡米1年後、日本人お友達が転校していった後でした。
現地のクラスメイトとの交流が増えるにつれ、次女が少しずつセンテンスを話し始め、それまで日本人としか交流してなかった私も現地のママ友が欲しいと思うようになり、次女の同級生ママと仲良くなり、頻繁にプレイデートをするようになりました。そのお友達のおかげで次女の英語力はぐんぐん伸び始めました。それにともなって、長女の英語力も伸びていきました。
アメリカに来て1年半経過後、コロナのロックダウンが始まり、それ以降次女のお友達親子とは会えなくなりましたが、コロナの間もプレイデートできるお友達を必死で探し、子供たちが英語に触れる機会を持ち続けました。
特に近所のお友達とは、家の中で遊ぶの禁止というルールの元、外で毎日のように遊んでいました。
毎日英語を使って、ひたすら外で鬼ごっこしたり、スポーツしたり…
コロナ下では苦しい思いもしましたが、あの時の子供達は、本当にかけがえのない素晴らしい時間を過ごせたなと思っています。
私的には、子供たちの英語力向上に、プレイデートがすごくよかったのではないかなと思っています。
その他、力を入れたのは「読書」です。コロナのロックダウンが解除され、図書館がピックアップサービスを始めるや否や、とにかく子供たちのための本をたくさん借りました。
4.どのような、苦労がありましたか?話を聞かせてください。
やはりコロナの間、人との距離感がよくわからず、とても悩みました。人によって、また人種によっても、コロナに対する警戒心が全然違いました。
また、当時フリスコ学区は、オンラインか対面授業かのどちらかを選択することができましたが、他州と比べて格段に感染者が多かったテキサスでどちらの選択をするべきか、本当に悩みました。
わが子たちは最初オンライン授業を選択しましたが、このままではアメリカにいる意味が見いだせないと感じ、数か月後に対面授業に切り替えましたが、コロナ前に子供たちがやっとの思いで仲良くなったお友達はほとんど学校に戻ってこず、最長1年半再会することができませんでした。
私自身も仲良くしていたインド人のお隣さんやママ友さんたちも会えなくなり、本当に辛く、誰とも交流できないのに何のためにアメリカにいるんだろう?と考えたりもしていました。
5.アメリカ生活中のお子さんの日本語はどうでしたか?
日常会話は親から見て、特に問題はないかなと思っていましたが、次女は3年目くらいから補習校の宿題は少しずつ困難になってきて、翻訳機能を使って、英語→日本語に直すことが増えてきました。
そのころから姉妹とも、日本語の本はほとんど読まなくなりました。
6.アメリカ生活で好きだったこと、または学んだことを教えてください。
アメリカで一番好きだったことは、そんなこと?と思われるかもしれませんが、自分が快適だと思う服を着られることでした。暑い夏中、どこへ行くのも短パン&ノーメイクで過ごしていましたし、誰も私の恰好なんて気しません。日本だと私くらいの年齢で短パンで歩いていると、どうしても白い目で見られてしまいます。
そしてアメリカといえば、「自由」を連想する日本人は多いと思いますが、まさに様々な面で「自由」なところが大好きでした!
日本のような厳しい習慣やルールも少なく、学校生活も自由なことが多く、子供たちはのびのび勉強できていた気がします。日本に帰国して、私自身は日本の教育も素晴らしいな思いますが、子供たちは日本の授業はつまらないと愚痴っています。
私自身はアメリカに行くまで、小さなことでも人の目を気にしてしまう性格でしたが、今はそこまで気にしなくなりました。そして日本以外の国に住んだことで、当たり前だと思っていた常識が、当たり前ではなかったんだと気づき、幅広く物事を考えられるようになった気がします。
7.日本に帰国後、お子さんは段々と英語を忘れてしまうとよく聞きますが、マミさんの経験からこれに関してどう思いますか?
アメリカ在住時の英語力向上より、帰国後の英語力維持の方が10倍くらい大変だなと感じています。
8.英語力を維持するために、何かしていますか?
後は、定期的に英検等の資格取得を目指すことで、子供たちの英語に対するモチベーションを維持しています。
アメリカ在住時、子供たちはオンラインでコーディングクラスを受けていて、そのレッスンを継続して日本でも受けていますが、日本とアメリカでは時差が大きく、レッスン時間が朝夜真逆の時間になるので、最近はレッスン時間を調整するのが難しくなってきました。最近は、オンラインでの英語レッスンといった国境を越えて受けれるレッスンが増えてきているので、今後そういったものも取り入れていきたいなと思っています。
マミさん、ご協力ありがとうございました!
今後も益々の繁栄をお祈りいたします。
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