この夏休み中、子供を連れて日本へ里帰りをした際に、5週間、娘は私自身が6年間通った小学校で体験入学を経験しました。
外国に住む日本人が夏休みに日本に帰り、このように子供を体験入学として学校に通わせるというのは、よくある話です。しかし、その手続きやどれくらいの期間通わせてもらえたか、かかった費用などは、それぞれによって話が違います。そこで、私の子供の場合をお話しします。近い将来、自分の子供に体験入学させたいと考えている方の参考に、又は自分の子供の体験入学の場合との比較になるかと思います。
1. 体験入学を歓迎する学校と、そうでない学校がある?
私が今まで、体験入学を経験したことがある子供のお母さん数人から聞いた話によると、体験入学の申し出を受け入れてくれるかどうかは、その学校の校長先生によるということです。それは、校長先生が、外国から一時的に来る子供が学校の生徒達に良い刺激になると考えるか、逆に、そういった子供が来ると授業の妨げになり迷惑と考えるかということらしい。でも、本来は、日本国民であれば短期間でも日本の学校に通う権利を持っているため、市や区の役所が体験入学を断らることはあり得ない、などと聞いたこともあります。しかし、国民の持つ権利だからと入学を主張できるとなると、子供が日本国籍を持っていることを証明する必要があるということになるのでしょうか?片親または両親が日本国籍を持っていても子供が日本国籍を持っていなければ、そういった意味で、この体験入学というものは初めから出来ないということなのでしょうか?
体験入学を希望する子供が日本国民かどうかを証明する意味で、戸籍や住民票を提出するようにと言われるかどうかは、学校によるかと思います。
2. 市や区の役所に連絡するか、直接行きたい学校に連絡するか?
上記の情報を知り合いから聞いていたので、私自身、市役所に連絡してxx小学校で体験入学を希望しているなどと伝えましたが、市役所からは、その小学校に直接問い合わせるように言われました。同時に、市役所から小学校へ私のメールの問い合わせに関しての連絡が行っており、私が小学校に電話した時には、私の問い合わせの内容を知っていました。又、校長先生が不在だったため、教頭先生と話しましたが、体験入学を受け入れてくれるかは、校長先生に話してみないと返事が出せないと言われました。断られるとしたら、どんな理由で断られるのだろうと心配でしたが、後日、指定された日にもう一度電話をした時、校長先生からOKが出たととても喜んだ様子で教頭先生が言ってくれました。しかし、この時、どれくらいの期間、通わせてもらえるかは教えてもらえず、一度直接学校に足を運んで欲しいと言われました。
3. 面接に行った日
知り合いから、別の学校での体験入学で1週間しか通わせてもらえなかったという話を聞いていたので、私はどれくらいの期間を許可してもらえるか心配でした。でも、1日でも多く通わせてもらえるならそうしたいと思ったので、日本に着いた日の翌日に早速、娘を連れて学校に行きました。
校長室に通され、教頭先生、校長先生、そして担任となる先生にお会いしました。この時、娘の日本語力は抜群で授業中に特別な扱いは必要ないと見せたかったので、私はアメリカの日本語補習校での漢字のテスト、算数のテスト、そして作文を数枚持って行きました。校長先生らは、なるほど、これだけ出来るならと安心したようでした。こういったテスト結果等を持って行って良かったと思いました。
校長先生に、いつからいつまで通いたいのか私の希望を聞かれました。この面接に行ったのが金曜日だったため、3日後の月曜日から夏休みに入る前日まで(5週間)を希望したところ、OKしてもらえました。1週間だけと言われる人もいれば、私の場合のように5週間も許可してくれるところもあり、学校によりけりだと思いました。
面接の中で、体験入学申込書を渡され、印鑑を持っていなかったため、家で記入して印鑑を押してから学校に通う初日に持って行きました。手続きはこんな感じでとても簡単で、住民票を提出するようにとは言われませんでした。
面接では、担任の先生がクラスの人数や授業ではどんなことを勉強しているのか、カリキュラムの進み具合を教えてくれ、娘が使用することになる教室と下駄箱も見せてくれました。
4.学校に必要で買った物、学校に支払った金額
上履き、学校が指定する紺色の水着、それと水着のキャップ。
上履きは500円くらいで買えるものだし、水着はアメリカでも使用できる物なので購入する物がこれだけでよかったと思いました。
貸してくれたもの:
教科書:担任の先生の本をかしてくれました。
ハーモニカの口の部分:学校にあるハーモニカの口を貸してくれました。洗ってあっても人が使ったものを使うのが嫌であれば自分で購入してくださいと言われました。
学校に支払った金額:
給食費として約5千円と、教材費として約700円だけです。
5. 学校側は、外国から来た娘をどのように受け入れてくれたか。
外国から来た生徒がいることは他の先生も知っていたようで、学校はどうですか?何かあったらいつでも相談してください。と何度も私に声をかけてくれる先生が数人いました。そして、娘と同じクラスではない生徒、例えば、同じ学年だけどクラスが違う生徒や、学年が違う生徒もこの「外国から来た生徒」のことを知っていました。こんにちはと言ってくれる生徒や、~ちゃんのお母さんですか?なんて風に声をかけてくれる生徒が沢山いました。中には、2組はまだ終わってないけど、あと少しで終わると思いますなんて風に、娘を迎えに来た私にいつも声をかけてくれる可愛い生徒もいました。
クラスでは、生徒たちはすぐに娘を仲間にしてくれたようで、沢山の生徒と友達になれたそうです。そして、娘がしらない事を「こうやるんだよ」と親切に教えてくれる生徒がたくさんいたそうです。5週間もいると、だんだん子供達もこの新しい生徒に慣れ、意地悪してくる生徒もいたようですが、最終日に、教頭先生の「学校はどうだった?」という質問に、「意地悪する子がいた」と娘が答えると、「あ~、そっか~、子供って意地悪だからね~。」と言ったように、意地悪な子供がいるのは当たり前だと思いました。でも、一度も「学校に行きたくない」なんて言うことなく毎日通い、迎えに行った時にどうだった?と聞くと必ず「楽しかったよ」と答えたので、楽しく過ごせたのだと思います。
6. 学校の最終日
最終日が近くなった頃、担任の先生が、「~ちゃんへの手紙」を宿題として生徒に書かせたのです。その手紙をファイルにまとめてくれた物を最後の日にクラスの皆からとしてプレゼントしてくれました。
私たちからは、娘が生徒一人ずつと担任の先生に書いた手紙。その手紙一枚ずつに、私がカラーゴムで作ったブレスレットを貼り付けました。手紙は、娘が生徒25人一人ずつに書きました。絵も書いて一枚ずつ違う内容の手紙を夜の10時半まで頑張って書きました。
幼稚園の体験入学では、アメリカの棒が付いた飴(ロリポップ)をプレゼントしようと沢山購入して持って行ったのですが、アレルギーなどの恐れがあるので食べ物は遠慮してほしいと幼稚園に言われてしまいました。
アメリカっぽい柄や色の鉛筆を体験入学の最後の日にプレゼントすると喜ばれるという話を聞いたことがありましたが、アメリカで買える絵が付いている子供向けの鉛筆は、芯が固く色も薄いので消しゴムでよく消えないため私は好みません。鉛筆なら、日本で買った物でも良いと思います。外国の物が珍しい時代ではないので、アメリカで買った物でなくても良いかと思います。
プレゼントしたブレスレットは特に女の子が喜んでくれました。女の子の色のブレスレットとは違って、男の子のブレスレットは、赤、青、黒と3色を混ぜて作ったので男の子っぽい色に出来上げました。担任の先生には、アメリカから持ってきたチョコレートと手紙を渡しました。
校長先生と教頭先生には、お礼の意味で、何かプレゼントするべきか迷いましたが、口でお礼と挨拶をしただけです。
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