アメリカ人から学ぶ。謝ることの大切さ Don’t burn your bridges

幸せな生活を送るために、謝ることと許すことは重要だと言われています。ここでは、謝るというトピックでお話したく思います。謝ることが重要なのは、謝ることによってわだかまりが消え、相手と再び話しができるようになり、相手との居心地悪い感じがなくなるからです。

謝るということに関して、日本と比べてアメリカは上だなと感じることがよくあります。

まず、日本人の謝罪と言えば、日本のニュース流れるスーツ姿の男性数人が一斉に頭を下げ謝罪する姿が目に浮かびます。この光景は海外でも有名で、日本のフォーマルな謝罪法として知られている他、Japanese apology bow と検索すると頭を深く下げるスーツ姿の日本人の写真が沢山出てきます。フォーマルな謝罪として、謝罪会見を設けても、「この度は、~をしたことをお詫び申し上げます」と短い一文を読み上げ、頭を深く下げるだけ。頭をどれだけ深く下げ、どれだけ長くその姿勢を保つかによってお詫びの深さを意味するのか、誠実さの伝わり方が違うのか。いずれにしても、小学生の子供でも言えるような謝り方で、謝罪の気持ちが全く伝わらないなと思うのは私だけでしょうか。

何年か前に、ダラスに支店を持つ日本の旅行会社の支店長が、自分の従業員のミスで私の日本行きのチケットが予約通りでなかったことを謝りたいと私の職場に来ました。私の顔を見るなり、何も言わずに頭を深く下げ始めたのです。そして、頭を上げようとしないのです。私が、頭を上げてくださいとお願いしなければ一体、何秒頭を下げたままでいるつもりだったのだろうと不思議でなりません。

過ちを認識、申し訳ないと表現、責任を持つ、相手の気持ちを察する

アメリカの謝り方は、自分が何か悪い事をしてしまったら、その過ちを認識し、申し訳ない事をしてしまったと表現する。そして、その過ちによって起きてしまった事も自分の責任だと受け入れ、最後に、自分の言動によって相手をどんな気持ちにさせてしまったかという相手の気持ちも察する。アメリカ人は、ただ、ごめんなさいと言うだけでなく、上手に自分の気持ちを伝えるんですよね。

Don’t burn your bridges

先日、通勤の車の中でラジオでこんな話を聞きました。この番組に出演する5日とのうち1人の男性が週末に友達の結婚式に出席する予定があったため、その2日前に髪の毛を切ろうとヘアドレッサーと予約を取っていたのに、その予約をすっかり忘れて行かなかった。この男性、JCは、予約を忘れてすっぽかしてしまったことに気が付いたとき、ヘアドレッサーに申し訳ない事をしたと思ったと言います。僕の為に予約の時間を入れてくれたのに、僕が来なかったためその時間に稼げるはずのお金が稼げなかったのだから申し訳ない事したと。でも、恥ずかしくてあのヘアドレッサーに顔を合わせられない。と言って、髪の毛は切りたいけど、予約をすっぽかしてしまったのが恥ずかしくてあの美容院に戻るのも嫌だし、とどうしたら良いか迷っていると言う。選択は2つ。一つは、あの店には戻らず、別のヘアドレッサーを見つける。二つ目は、予約をすっぽかしたことを謝って、2回分の料金を払う。つまり、髪の毛を切ってもらった時の料金の他に、すっぽかした予約で稼げなかった穴を埋める為にも払うということ。番組の他の4人は、皆「うん、それがいいよ。」と謝って2回分を払う方に賛成。

ああ、素晴らしいなと思いましたね。

この話を聞いた後、先週、職場で私に謝ったお客さんの事を思い出しました。

医療機関で、患者さんが待合室で15分、20分くらい待つのはアメリカでは当たり前のこと。この時、自分の予約時間ぴったりに来たスコットという男性は、待合室で15分くらい待っていました。この人の前の予約に時間がかかっていたからです。彼は、オフィスの棚を拭いている私を見つけて、私の方に歩いてきました。そして、自分が何のためにここで待っているのかわからないと言ったのです。この日の予約はいつもと違ったため、看護婦が彼を別の部屋に連れて行って血圧を測ったり色々な質問をするということが必要なかったのです。それで、なんでこんなに長い間待合室で待たなきゃいけないのだろうと不思議に思ったのでしょう。私は、予約の内容を伝え、もう少しだからと待っててくださいと言いました。すると、すぐにドクターが出てきて彼を部屋に連れて行きました。彼の予約が終わり、彼が部屋から出てくると、私を見つけ、「さっきは、イライラしていて無礼だったと思ったと思う。嫌な思いをさせてしまったらごめんなさい。」と謝ったのです。私は、全くそんな風には思っていなかったので、「ぜんぜんそんな風に思わなかったですよ。」と言いましたが、彼に関心しました。きっと、あのまま謝らずに帰ってしまったら、彼は罪悪感が残ってしまい、謝ればよかったと後悔する日が続いてしてしまうと考えたのだろうと思います。謝るとか人を許すというのは相手のためではなく自分の為だと西洋国ではよく言いますし。

この話を同僚にしたところ、この女性は、つい最近、自分は病院の看護師に怒りをぶつけて怒鳴ってしまったとその時の話をしてくれました。

母親の手術が数日後に予定されているため、その前にドクターが必要だと言っていたソノグラムの予約に行ったのに看護婦がソノグラムではなく間違えてエコーを撮ったのです。ドクターがカルテに記入したものを見ればわかることなのに、なんでそんな間違えが起きるのかと怒りが爆発して看護師にぶつけてしまったと言う。でも、母親の手術の心配がストレスにもなっていたし、たしかに、予約を入れた時に間違えて自分がエコーと言ってしまったけど、自分が間違っていたと認識して、申し訳ない事をしたなと思ったし、自分に恥ずかしくなったと言う。そして、その次の日、予約をやり直してソノグラムを受ける為に病院に行かなければならず、看護師と医師のみんなに大きなフルーツバスケットを持って行って謝ったそうです。素晴らしいですね。自分の過ちを認め、面と向かって謝ると言うのは勇気も必要だと思います。

どちらのシチュエーションも、結局は、Don’t burn your bridges ということわざの通り、その人との繋がりを壊しまわないようにするために必要な行動でもありますね。頭ではわかっていても、なかなか出来ないことだと思います。それをやるのは素晴らしい

日本では、個人レベルでも謝るということの観念がアメリカと違うなと感じます。アメリカでは、子供が小さなうちから人間関係に重要なソーシャルスキルを教えることが重大だと言われていますが、日本でそういったことをあまり教えない。私の育った家庭も例外ではありません。何か間違ったことをしてしまったら、まずは認識することが大切、そして自分の責任として謝るということが重要だということを繰り返し繰り返し教えられなかったように思います。そのため、大人になってからも私の兄妹は、なかなか謝らない。家族の恥をさらしたくないので、具体的な話はやめておきますが(笑)、アメリカのように、「こないだああ言われてすごく傷ついた」と仮に私が言ったとしても、「まだ、そんな事言っているの?」と笑うか呆れるだけだったり、「しょうがない」で済まされることが多い。認識、反省、謝罪、相手の気持ちを考える ということはまずありません。

いかがですか?

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