アメリカ人は、いつでもどこでも雑談が好き?

先日、仕事場でお客さんが言いました。

「I don’t like chitchat.」

chitchatとは、たわいもない世間話や雑談、無駄話のことです。

私は、この人の言葉に驚きました。とても意外だったからです。だって、この方、昔からのお客さんで、今までに色々な話をしてましたよ。旅行に行った話や、引っ越しの話や、子供の話など、色々。

驚きの余り、そうなの? と私が聞くと、「まあ、その時によるけどね」と答えました。

仕事の時とか、忙しい時は、無駄話している暇はないということです。

隣に立っていたご主人も、自分の仕事場にも話し好きな人がいて、その人が雑談を始めるとその人の話から逃げられないことがよくあると話を始めました。

2人とも、そう言いながら、仕事している私にチットチャットしています。私だって仕事があるし、お喋りしている暇はないのに~。と私は、心の中で叫んでいます。でも、私は、迷惑そうな態度は一つもとらず、笑顔で「うん、うん。」と言って一緒に笑って話を聞いています。これだから、いつも雑談にはまってしまうんです。

お客さんの話から逃げられないとこがよくあります。なにせ、フレンドリーで、話好きの人が多いですからね、この国には。

面白い事に、自分が仕事しているときは、「貴方の子供がどうだとか、孫がどうだとか聞いている暇はないのにな」と心の中で思っても、自分が仕事中でない時は、つい自分の話しに夢中になってしまいまう人が多いようです。話している相手が仕事中だと言うことは忘れてしまうようです。

この日、この1時間ほど前に来たお客さんも、とてもフレンドリーな人で私に話しかけてくれました。でも、フレンドリーを越して、いつの間にか、子供時代の家庭問題の話に変わってしまいました。そんなことを、ほぼ初対面の私に話しちゃうの?と驚く内容でした。

お客さん:「うちの息子(28歳)がまるで嘘をついているかのように言われたのよ。信じられない。あの子は嘘なんか言わない。とてもいい子よ。私の兄弟と正反対だわ。」
お客さん: 「私の兄弟は、サイコパスでソーシオパスなのよ。」
私:「そうなの?」
お客さん:「ホントよ。」
私:「冗談かと思った。」
お客さん:「ホントよ。兄は、私たちの母親を殺したし。」
私:「えっ???!」
お客さん:「兄がやったって私は知ってる。捕まらなかったけどね。」
私:「OMG…」
お客さん:「母親に暴力をふるっていたみたいで、あざがあったのよ。母親は、とてもスイートな人だったわ。それなのに、兄は母親をいじめていたの。あんまりに酷くて、一度は私が兄を家から追い出したんだけど、また戻ってきて。それで、もう私は家にいたくなくて、家を出たの。」
「姉も、クレージーな人だったわ。私と同じ時期に妊娠してて、生まれたばかりの自分の赤ちゃんを少し見ててと言って出かけて行って、なかなか帰ってこないなと思ったら、警察に私が姉の子供を誘拐したって連絡したのよ。それで、警察が来たんだけど、小さな町だったから、警察も姉がクレージーなことを知ってたから、私が赤ちゃんを誘拐したなんて姉の嘘だってわかっていたけど。信じられる?」「それに比べて、私の子供が天使のようだわ。」

まさか、こんな話になってしまうとは、驚いた。

話している途中で、私に「仕事の邪魔していないかしら?」とさらっと言ったのですが、話しを止めることなく、子供の頃の家庭の問題をあれこれと思い出しながら独り言のように話していてます。心の奥に閉まって置いた昔の話を、栓を抜いたら、こぼれ出るようかのように話していました。

とても、スイートな人だったので、私が仕事中でなかったら、座ってゆっくり話を聞きたいと思いましたが、なにせ私は仕事中です。話しを聞きながら、頭の中では、ああ、仕事があるのに、どうやってこの会話を終わらせよう~と考えていました。20分くらい話を聞いていたと思います。話しに邪魔が入って話が終わりました。

なぜだが、こういうことがよくあります。How are you doing? や How’ve you been? と尋ねると、主に、悩み、悲しい出来頃、健康問題など、個人的な話を始めるお客さんが多いんです。私の仕事とは全く関係ないのに。主人には、カウンセラーになればと、よくからかわれます。

いろいろ話してくれるお客さんは、初めて会う人もいますが、何度か会ったことがある人が多く、「一期一会」の言葉は当てはまりませんが、次に会うことがないかもしれないし、1年後かもしれないし、数年後かもしれません。なので、10分、15分くらい(それ以上の時もある)仕事の時間を削って、お客さんの話を聞いてもいいと思っています。それに、なによりも、こうやってお客さんが私に気軽にいろいろな話をしてくれるのを光栄に思います。また、「袖振り合うも多生の縁」の言葉のように何かの縁だとも思います。

人間は、独りでは生きていけない、人との関係なしでは生きていけないと言われていますが、人との繋がりを持てない人もいるわけです。でも、アメリカ人には、人と出会った時や、ほんの数分でも人との繋がりがあった時、その瞬間を純粋に喜ぶ人が多いと思います。

そして、英語には、その喜びを、伝える言葉あるので便利です。

It was nice chatting with you!

とか

I enjoy chatting with you!

私もよく使う言葉です。笑顔もあって、「お喋り楽しかったわ」と締めの挨拶言葉を言うのは、とても気持ち良いです。

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