渋谷駅の幼児虐待
今年3月に渋谷駅で母親が幼児を虐待する動画が、6月にフェイスブックに投稿され話題を呼びました。
泣き叫ぶ3、4歳くらいの娘に「てめえ、なにしてんだよ。早く来いよ!」「ふざけんなよ、てめえ!」なんて風に怒鳴り、蹴る。立ち上がろうとする娘をさらに怒鳴り「ふざけんなよ!」と言いながら、横蹴り。頭から床にたたきつけられ、頭を強く打ち、ゴツンという鈍い音が周囲に響く。
ビデオを撮った人が「やめなさい」と言っても、止めるところか、足蹴りを始めたので、しばらくその様子を撮ってから、「警察を呼ぶぞ!」「ビデオを撮ったぞ」と言うと、慌てて子供とその場を去った。
最初は警察に行かずに、このビデオをフェイスブックに投稿した。ビデオが2万5千以上もの人に広まり、色々なコメントの中に警察に言った方がよいというアドバイスがあったから、事件が起きてから3ヶ月後に警察に行った。そのうちにビデオを見た人の中からこの母親の情報が沢山警察に寄せられたからだと思いますが、この母親の名前が特定された。そして、警察がこの女性に連絡するとビデオの母親は自分だと認めた。警察は「児童相談所と連携して対処している」と言ってたそうです。
さて、その対処とは一体どんなことをしているのだろう。人が沢山いる公共の場であんなふうに子供を怒鳴り蹴りやる親は、家でももちろん虐待してるに違いない。母親からあの子供を離すべきだ。数ヶ月前にも、日本で、昼寝してる実の子をマンションの13階くらいのベランダからポンっと下に落として殺した母親がいましたね。その事件の2週間くらい前にはその子の首を絞めて殺そうとしたそうではないですか。アメリカだったら、その母親は警察に殺人未遂で逮捕されただろうし、子供は直ちにその母親から離された筈。でも、残念ながら、そうじゃなかった。その結果、この子は死んでしまった。この子の死は、母親が首を絞めて殺そうとした事に関わった警察に責任があるのではないかと思う。
このビデオの子もこんな母親のもとにいるのは危険。日本で子供の虐待のニュースが多い。それなのに、虐待が発見したときの対処は一体どうなってるんだと疑問に思ってならない。
この渋谷駅での虐待の動画はこちらです。
http://video.search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&fr=top_ga1_sa&p=%E6%B8%8B%E8%B0%B7%E5%AD%90%E4%BE%9B%E8%99%90%E5%BE%85
「児童虐待防止法6条1項によると、虐待を受けた児童を発見した人は、福祉事務所などに通告する義務がある。」そうです。アメリカでも子供の虐待を通告するホットライン番号があります。私の経験から、このホットラインに連絡すると、すぐに児童福祉事務所が動いてくれます。私は、一度虐待ではないかという報告の電話を入れた事があります。翌日、事情聴取をしに訪問されました。
でも、日本でもアメリカでも、虐待を目撃したら、その場で警察に連絡すべきだと思います。通報して直ぐ動いてくれるのは警察ですから。この渋谷駅での虐待も、目撃者が警察にすぐに連絡するべきだったのではないかと思いますが、私と同じように思う人も沢山いたそうで、フェイスブックに投稿されたビデオのコメントとして、ビデオなんて撮ってないでなぜ止めに入らなかったとか、批判の声があったそうです。でも、この男性は、こう言ったそうです。「しつけを否定するわけではないですが、あれは明らかに度を超えて、行きすぎでした。私は改札の外にいて、彼女らは中にいました。どうにか止めさせたいとは思いましたが、怒鳴っている女性がどんな人かも、何を持っているかも分からない。身体を張って割って入って止めることには、リスクも感じました。そのとき、そこまではできなかったですね」
これを行き過ぎた躾と呼ぶの??
アメリカではどうか?
アメリカでは、子供が公共の場で虐待されていて、それを目撃したアメリカの人はどうするのだろう。
私は、きっと止めに入るだろうと思いました。でも、そんなことないようです。知らん顔してる人が多いようです。
例えば、フィラデルフィアのNews + Opinionという新聞に、ある日、電車のホームで若いお母さんが4歳くらいの子供を虐待していたという話です。子供を怒鳴りつけ、顔をぶったり身体をドンッと押したりして子供は泣いていた。そして、子供が食べていたフライドチキンが喉につまって咳き込んでいても、大丈夫?と背中を叩いたりお水をあげる所か「うるさいんだよ!」と怒鳴る母親。ホームには電車を待っている30人ほどがいたそうですが、誰一人この母親を止めようとしない。この様子をただ見てる人もいれば、気が付かないのか自分の会話に夢中になってる人。それで、このニュースの記事の筆者が、見るに見かねて、止めに入ったのです。「泣いてる子を怒鳴ったり叩いたりして、泣き止むと思ってやってるの?」と。すると、この母親は「人の問題に口出しするな」(Mind your f***ing business)と言って来たわけです。それで、筆者はこれは私の問題でもある(it is my business.)と返しました。こういったやりとりはアメリカではよくあることです。他人の子供の躾や子供の育て方に口出しするのはタブーとされていますから、アドバイスのつもりで何か言ったら、don’t tell me how to raise my child.と言われてしまいます。そして、この話の母親のように、公共の場で叩いたり、怒鳴ってるのを目撃した他人が止めようとしたり何か口出しすると、Mind your own business.というのが典型的な返答です。そして、これに対してよくありがちなのが、“it is my business.”と言うことです。結局は、私はこの子の親ではないけど、子供を悪から守るのは大人の義務だ、子供が虐待されてるのに無視はできない、という意味なのです。知らん顔せずに、口出しするタイプはこんなふうに言いがちです。
結局、この二人は、ああ言われた事にこう言い返すを繰り返したが、それも電車が来るまでのことだったそうです。
この口出しした人を正義感が強い人と呼ぶべきでしょうか。止めに入るのが正しい事なのでしょうか。それとも渋谷駅の虐待のビデオを撮った人のように、自分の身が危ないかもしれないから近くによって止めようとするのは、やめるべきなのでしょうか。
Source
http://www.phillymag.com/news/2011/08/04/parents-beat-kids-public/#disqus_thread
アメリカで、注意された母親が逆切れして、注意した人を撃ち殺そうとした事件がありました。
フィラデルフィアのバスの銃撃事件
6月18日2011年に、フィラデルフィアのバスの中で、赤ちゃんをお尻を叩いてる女性をそのすぐ後ろに座ってた男性が児童福祉局に連絡するぞと注意したことに腹を立て、仕返しするために女性はバスの中から兄弟に電話する。そして、次の駅に停まると、直ちに女性は子供とバスを降り、待ち伏せしてた兄弟を含む男5人のうちの一人にあの男を殺せと言い、2人がバスに向かって銃撃し始める。バスの乗客の誰一人が怪我をしなかったのは奇跡。この事件のビデオはこちらで見れます。
https://www.youtube.com/watch?v=2qR6HJrZUtU
貴方が、渋谷駅の虐待を目撃したら、どうしたと思いますか?
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このPhiladelphiaの事件知りませんでした。凄いですね。アメリカってほんとすごい事が起きますよね。おっかない度合いが違うっていうか信じられないとしかいいようがないです。
目撃者が多ければ多いほど人の心理は誰かがやってくれるだろう。自分が助けなくても平気だろう。ていうふうに働くと大学で習いました。多分これが渋谷じゃなければこんなことにはならなかったんじゃないかなって思います。
アメリカにある銃を使った犯罪は、日本にはないので馴染みがないというか、ついスケールが違うとか、アメリカは恐ろしいなんて思われがちですが、日本のニュースを毎日読んでると、自分の親や子供を殺す事件、子供による殺人事件が多いので、驚きます。日本、大丈夫かな。