メディアが取り入れるニュースは悪い話が多いため、ニュースを見ると心が沈んでしまいがちです。そのため、今日一日が穏やかに良い日になるよう、朝一番にニュースを見るのを日課にするのは良くないというアドバイスを聞いたことがあります。その代わりに、ポジティブな気持ちにしてくれる心温まる話を聞いた方が良いと。
ネットのあるページで（Quora）読んだ、ある人のこんな話がありました。
旦那さんの優しさ
お料理が上手でいつも美味しい食事を作るお祖母ちゃんが、ある日パイを焦がした。それも、ちょっと焦げただけでなく真っ黒に焦げ焦げ。おじいちゃんは何と言うだろうと私がおじいちゃんの反応を見ていると、おじいちゃんは文句ひとつ言わずに真っ黒のパイを食べ、普通の顔で私に今日は楽しかったかと話しかけた。
すると、おばあちゃんがおじいちゃんに夕食を焦がしてしまってごめんねと謝る声が台所から聞こえてきた。
あの時のおじいちゃんの返事が忘れられない。
「お前さん、わしはお前のパイが大好きだよ。」
そして、おじいちゃんは私に肩を組んで言った。
「おばあちゃんは今日、会社で色々あったんだよ。」
「疲れてるんだよ。」
「焦げたパイでわしは嫌な思いをしなかったよ。でも、わしが何か嫌な事を言ったらおばあちゃんを傷つけてしまうだろう。」
誰だって、間違えは起こす。
でも、人の間違えばかりを見るのではなく、愛する人をサポートしてあげなきゃ。
それが、長く幸せな関係を続ける秘訣。
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この話のパイを焼き魚に変えた方が、私たち日本人には心に浸透するかもしれません。ある日、お祖母ちゃんが、お爺ちゃんの夕食の秋刀魚を真っ黒に焦がした。でも、お爺ちゃんは文句ひとつ言わずに食べた。とこんな感じに。明らかに、何を焦がしたかは問題ではないわけですが、この話に書かれたコメントの中に、この話は作り話だと言う人が何人かいます。パイではなく、ビスケットを焦がしたとかトーストを焦がしたというバージョンも読んだことがあるという人がいます。良い話というのは、実際の話でなくても作り話でもいいはずだと反論するコメントもあれば、この話は、単なる道徳話だと言うコメントもあります。作り話であっても道徳話としてこの話から学べることがあるかと思います。
奥さんの優しさ
次のは実話です。私の家の隣に住む老夫婦の話です。奥さんポーラは76歳、旦那さんジョンは８１歳。ジョンの認知症がどんどん悪化して行くのは時々しか会わない私にもわかります。隣の家に住む私たち家族を自分のお気に入りのご近所さんとして覚えていても私たちの名前や職業など他の事は一切覚えていない。でも、家の外で私たちを見かけると笑顔で近寄って来ます。
ある日、家の前でばったり会った時に、奥さんのポーラが、私に話してくれた話です。
ジョンはどうしているか、元気かと尋ねると、最近は毎週木曜日に自分たちが長年行っている教会で老人のための集まりがあって５時間くらいそこにジョンを行かせてるんだと。知っている場所で人もいい人たちなので安心して預けられる。この時間に救われている。車のオイルチェンジなどやらなきゃいけない用事も足せるから助かっていると。ジョンは、1分でも待つのが嫌いだから一緒には行けないんだと付け足して。
愚痴をこぼしていると思わないように、言葉を選びながら笑顔で話していた。（愚痴を言っているとか文句を言っていると思われないように話をするのはアメリカ人に多い。）
ジョンと四六時中一緒にいるのはとても大変とは、決して言わない。決して自分の旦那を悪く言わない。そう言わずに、ただ単に「大変よ」と言う。話の間に、「大変よ」と頷きながら言うことが何度かあった。
「でも、幸いジョンは変わらず優しくてスイートだから良かったと思ってる。」
認知症によって人が変わったかのように意地悪になったり怒ってばかりの人になるけど、私のジョンは違うという意味だ。
「ジョンの認知症は良くならない。悪化する一方なんだってわかっている。だから、ジョンを変えることは出来ないのだから、自分が変わるしかないと思ったの。朝起きた時に、私が不機嫌な顔をしていると、ジョンも一日不機嫌になってしまう。でも、私が笑顔でいるとジョンも一日笑顔でいれる。だから、決めたのよ。どんなに疲れていても、一日を笑顔で始めるって。」
ポーラは、「ボケちゃって…」なんて馬鹿にしたような言い方は決してしない。彼女の話に、優しさと深い愛と思いやりを感じました。
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今日も一日が最高の日になるように、頑張りたいと思います。
皆さんも、良い一日をお過ごしください。
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