上の写真は、Horizonのオーガニック牛乳です。 Horizonは、アメリカのオーガニックブランドの大手会社の一つで、Horizonの商品はアメリカのあらゆるスーパーで販売されています。 アメリカに住んでいる人は、この赤いカートンの牛乳を飲んだことが無くても、見たことはあるかと思います。
Horizon牛乳には、Whole milk, 1% milk, 2% milkなど脂肪量が色々あります。 そして、Whole milkは、普通のWhole milkと、脳に良いDHA オメガ3が入っている “Whole Milk DHA Omega3” の2種類があります。
オメガ3が入っている方は、”DHA Omega-3 Supports Brain Health”、つまり、脳に良いと牛乳のカートンに書いてあります。 値段は、脳に良いオメガ3が入っている牛乳ということで他よりも約$1高い。
しかし、ワシントンポストの調査によると、このオメガ3入りの牛乳は、どうやらHorizonが宣伝するほどナチュラルではないそうです。
調査で明らかになったのは、この牛乳に入っているDHA オメガ3は、South CarolinaにあるHorizonの工場で、Schizochytriumと呼ばれる海草をコーンシロップを栄養として与えながら育て、加工して出来上がった魚臭いコーンシロップ油にすぎないということです。
消費者レポート(comsumer report)のシニアアナリストのシャーロットバーリ-ズは、
「牛乳のカートに、オメガ3といった身体に良い優れた栄養素も含まれていると書かれていたら、
それは優れた飼育方法の結果として牛乳にオメガ3が自然に含まれているからと思う。まさか、工場で製造したオメガ3だとは思わない。」と言ってます。
では、オーガニック食品と呼ばれるにはどんな食品でなければならないのでしょうか?
オメガ3油が注入された牛乳でもオーガニック食品としてUSDA Organicのスタンプ付きで販売できてしまうのですから、アメリカ合衆国農務省(U.S. Department of Agriculture)が定めたオーガニック食品として判断する基準が問われています。
アメリカの商品で、USDA Organicというスタンプが付いた商品は2倍の値段で販売できます。
よって、製造会社側は、オーガニックのスタンプをもらうために必死で、オーガニックとパッケージに書けるための原材料や製造法のスタンダードをゆるくするようにFDAを押しているのです。 その一方、消費者側は、オーガニックの基準をもっと厳しく、原材料や製造法はもっと自然でピュアに近くするべきだと主張している。
アメリカで、藻類油が牛乳に入れられるようになったのは、2007年のこと。
どうやらFDAの人が連邦規則集を間違えて読んでしまい、油の注入を許可してしまったようだ。
しかし、その後の2012年には、アメリカ合衆国農務省は、連邦規則集が間違って解釈されてしまったことに気が付いたらしいが、間違えを訂正して牛乳に藻類油を使用することを禁ぜず、そのままにしたらしい。
このお陰で、Horizonはオメガ3の注入をやめずに助かったわけです。
合法かどうかは別にして、Horizonのオメガ3が入っている牛乳はアメリカでとても人気がある。2016年に売れたこの牛乳の量は、26,000,000ガロン。Horizonのオーガニック牛乳の売り上げの14%を占め、去年の売り上げは250億ドルであった。
しかし、washington postは、この牛乳の人気は、消費者の誤解に基づいていると指摘している。
“USDA Organic” のスタンプが押された商品なのに、実はオメガ3は自然に牛乳に含まれているのではなく、後から足した栄養素だなんて消費者を裏切っている。
過去の消費者リポートのアンケートで、10人のうち7人がFDAは、オーガニック食品の原材料にオーガニックでない物を使用することを許可してはならないと思っていると答えました。
最後に、最近のThe Postによる調査で、牧草牛(grass-fed cows)の牛乳には、オメガ3脂肪酸が多く含まれていることが判明されたらしい。 オメガ3が沢山含まれたオーガニックの牛乳を買いたいのなら、牧草牛(grass-fed cows)の牛乳を買うのが良いですね。