9月15日は、International Dot Day (インターナショナルドットデー)
2009年9月15日に、アメリカの学校で、テリー シェイという名の先生がThe Dot (Peter H. Reynolds作)という子供の本をクラスの生徒達に読んだのが始まりです。
紙の上の小さな水玉のような点を考えてみてください。 その点は、点のサイズを大きくしたり、色をつけてみたり、違う形に変えてみたりと可能性は無限です。
その点のように、自信を持って色々な可能性に挑戦できるんだ、とこの本の中の先生がクラスの一人の女の子に教える話です。
アメリカの学校でこの日をどのように祝うか
アメリカの学校では、毎年この日をInternational Dot Dayとしてお祝いします。
この日は、学校に水玉模様や水玉っぽい模様の洋服を着て行ったり、アートのクラスでは、点を使って色々なアートを作ります。
世界中の子供と繋がる
点を使って絵を描くだけでなく、世界中の人間が他の人と繋がることを願って、この日を記念して、Skypeを使って他の国の子供と繋がることも出来ます。
International Dot Day’s Skpe in the classroom.
この本は、日本でも読まれている
この本は、日本でも沢山の子供に読まれています。 この本を読んで、絵が嫌いだった子供が絵を描くようになったりと、子供にインスピレーションを与えています。
「てん The Dot」
ピーター・レイノルズ Peter H Reynolds:文と絵 谷川俊太郎:訳
(あすなろ書房)
ワシテはいつにもまして不機嫌だ。
なぜなら、とっくに学校のお絵かきの時間が終わったというのに、いまだ彼女の机に置かれた画用紙は真っ白けのままだから。彼女は絵を描くのが大嫌いなのだ。
先生は、ワシテが手をつけようとしない画用紙を覗き込んだ。「ふぶきの中のホッキョクグマを描いたのね」ワシテには、そんな先生の気遣いすらもうとましい。
だが先生も後には引かない。にっこり笑い、なにか“しるし”を紙につけてみて、と食い下がる。ワシテはムッとしたままマーカーをひっつかむと、紙に力いっぱいドンと押し付けた。先生は、たった1つの点が打たれただけの画用紙を取り上げ、熱心に見入る。そして、その紙を恭しくワシテの前に置くと、静かに言った。「さあ、これにサインして」
怒られるかと身構えていたワシテは、いささか不意を打たれた。ちょっと思案すると、まるで本物の画家のように自分の名前をその点の紙に書いた。なに、絵は描けなくたって、サインはちゃんとできるもの。
次の週、お絵かきの教室に入ると、驚くべき光景があった。ワシテの描いたちっぽけな点の絵が、なんとも不釣合いな立派な金色の額縁に収められ、先生の机の上に飾られていたのだ!先生は、こんなちっぽけな絵とすら呼べないものを、いたく気に入ったらしい。ほほぅ。ワシテはしかめつらで腕組みし、再び思案した。「もっとすごい点だって、私描けるんだから!」
ワシテは、今まで開いたこともなかった水彩画のセット一式を、初めて広げた。それからというもの、ワシテは描いて描いて描きまくった。黄色の点、緑色の点、赤色の点、青色の点。やがて単色に飽きたワシテは、どきどきしながら色を混ぜてみる。青色と赤色、黄色と青色…。ワシテはあらゆる色の小さな点を描き続けた。
ワシテの実験はさらに範囲を広げていく。小さな点が描けるなら、大きな点だって描けるはず。ワシテは、自分の身体より大きな画用紙を持ってきて、大きな絵筆で大きな点をいろんな色で描いていく。ついには、点の周りに色を施し、点を浮かび上がらせることまでやってのけた。
何週間かあと、学校の展覧会が開かれた。ワシテが描いた様々な点の絵は、壁一面に飾られていた。小さな点、大きな点、小さな点と大きな点が合体したもの、いろんな色が混ざり合った点…。ワシテの絵は大評判を呼んだ。
小さな男の子が、ワシテを尊敬のまなざしで見上げている。自分もワシテのようにすごい絵を描きたいと。ワシテは自分のことを考え、答えた。「描けるわよ!」しかしその男の子は、定規を使っても真っ直ぐな線が描けないのだと悲しそうに言う。そんなこと!大丈夫。ワシテはにっこりした。そして、かつて絵の先生が自分にしてくれたように白い画用紙を彼に渡すと、描いてみるよう促した。男の子は手をぷるぷる震わせながら、真剣に紙に向かった。果たしてできあがったものは、ミミズのようにくねくねしたただの線。しかしワシテは、そのなんということもない線を見つめ、言った。
「ね、お願い……ここにサインして!」
(http://blackmamesu.at.webry.info/201002/article_64.html)
この記事の掲載日:Sep 12, 2017
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