あなたの家庭では、どれくらい牛乳を飲みますか?
育ち盛りの子供がコップ1杯の牛乳を毎日飲んだり、シリアルに牛乳をかけて食べるという家庭では、おそらく頻繁に牛乳を買っているかと思います。しかし、コーヒーのミルク代わりに牛乳を入れるだけ、料理にちょこっと使うくらいだけだと、全部使い切る前に腐ってしまうなんてこともあると思います。
牛乳の賞味期限
アメリカのスーパーでは、牛乳の種類がとても多い。脂肪、低脂肪、全脂肪と脂肪の量で選べるだけでなく、草食牛のミルク(grass fed milk)、そしてオーガニック牛乳も普通にどのスーパーでも買えます。
牛乳を買うとき、牛乳の種類だけでなく賞味期限が長い牛乳を選んで買いますか?
オーガニック牛乳の賞味期限のほうが長いことに気がついたことありますか?
普通の牛乳は1週間くらいで期限切れしてしまいますが、オーガニック牛乳の賞味期限は1ヶ月またはそれ以上先です。
なぜでしょう? 不思議に思ったことあるかと思います。
まず、オーガニック牛乳とは、何かをお話します。
アメリカでは、オーガニックかどうかを判断するのは牛乳を製造する会社ではなく、第3者的な人です。オーガニック牛乳として認められるには、遺伝子組み換え技術を使用した商品ではないこと、抗生物質や成長ホルモン薬を投入した牛のミルクではないこと、害虫などの駆除剤をまいた草を食べて育った牛でないこと。そして、牛小屋の中に閉じこまれていない、自由に放牧されていることが条件です。
つまり、オーガニックという言葉がつく牛乳は、牛がどのように育てられたかとどのように牛乳が製造されたかを意味しますが、オーガニックだから賞味期限が長いのではありません。
牛乳の殺菌法が違う
牛乳の殺菌法が違うからです。
牛乳の殺菌方法は時間の長さと温度によって違い、「超高温殺菌」 「高温殺菌」「低温殺菌」の3つに分けられます。
普通の殺菌法では、牛乳の中の全ての菌は死にません。 人間が飲んでも病気にならない程度に殺菌されるだけです。しかし、超高温殺菌法(ultra-high temperature (UHT))では、138℃の温度で約2秒から4秒の一瞬で全ての菌を殺します。超高温殺菌法を使って殺菌された牛乳は、冷蔵庫にいれなくても最高6ヶ月は持つ、腐らないそうです。
なので、超高温殺菌法を使った牛乳の賞味期限は高温殺菌や低温殺菌法を使った牛乳よりも長いのです。
もし、オーガニックと普通の牛乳が、同じ殺菌温度で同じ時間で殺菌された場合、この2つの賞味期限は同じ長さになります。しかし、オーガニック牛乳の賞味期限の方が長いのは、一般的に、オーガニック牛乳が牧場から工場まで運ばれる距離が長いため、超高温殺菌が使われるからです。
なぜ、全部の牛乳を超高温殺菌しないのか?
なぜでしょう?
アメリカ人は選択肢が多いことを好むから!と言いたいことろですが、殺菌温度によって牛乳の味が違ってしまうからだそうです。
超高温殺菌された牛乳は、高熱で殺菌された時に牛乳の中の糖がカラメルのように焼かれるので牛乳の甘さが増します。
アメリカでは、この甘さを嫌う人が多いようです。
そして、超高温殺菌によって、牛乳の中の少しのビタミンが破壊されるため、チーズを作るのに適していない。
こういった理由があるそうです。
まとめ:
賞味期限が長いということだけを求めるなら、オーガニック牛乳でなくても良いわけで、超高温殺菌法を使った普通の牛乳を買えば、オーガニック牛乳ほど高い値段を払わずに済みます。
賞味期間はもちろん、成長ホルモンや抗生物質を使った牛乳を避けたいと、牛乳の中身を気にするのならオーガニック牛乳を買えば良いと思います。
参照サイト:
www.scientificamerican.com/article/experts-organic-milk-lasts-longer/
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