アメリカで子供の誘拐事件が起きると市民に知らす「AMBER Alert」とは?

アメリカで子供の誘拐事件が起きると市民に知らす「AMBER Alert」とは?

ビービーっと携帯が鳴る音…

アメリカに住んでいる人は、ビビーっと鳴る音にびくっとしたことがあるかと思います。Amber Alert とは、アメリカで18歳以下の子供が誘拐された場合にその誘拐を市民に知らす緊急速報です。この誘拐緊急速報が出ると、携帯電話がビービーっと大きな音を出し、誘拐が起きた場所、誘拐された子供の年齢、性別、そして誘拐犯や誘拐に使われたと思われる車の情報が携帯電話の画面に出ます。市民に知らせ、こういった車や子供を見かけたらすぐに警察に連絡するようにと呼び掛けているのです。携帯電話だけでなく、ラジオやテレビでも緊急情報として発信されます。

Amber Alertが始まったのは、1996年。実際に誘拐され殺害された子供がいて始まったことでした。その子供の名前がAmber という名前だったということもありますが、Amber Alertは、America’s Missing: Broadcast Emergency Responseの略でもあります。この誘拐された女の子は、当時9歳でテキサス州アーリントン市に住んでいました。この子供が誘拐された時、メディアが警察に協力し誘拐の情報を市民に流したのが始まりです。

AMBER Alertは、Google, Bing, Facebookと腕を組み、子供が誘拐されたとAMBER Alertが発信されると自動的にその子供や誘拐犯を思われる人の情報が画面に出るようになっています。また、市民が誘拐に関係した情報や誘拐が起きた地域の情報を検索すると、自動的に誘拐され捜索中の子供の情報が出ます。

この女の子の誘拐事件について

1996年1月13日、アンバー・ハガーマンという名の9歳の女の子が、弟と一緒に近所を自転車に乗って回っていました。そして、潰れて閉まっているスーパーの駐車場に入った時、黒いトラックに乗った男の人が車から降りてきて無理やりアンバーを自転車から引きずり下ろし、トラックに押し入れたのです。唯一の目撃者の証言によると、女の子は叫び、誘拐犯を蹴っ飛ばしたということです。この目撃者はそれを目撃した後すぐに、警察に連絡し、50人以上の警察やFBIが女の子を捜索しましたが、見つかる前に女の子は殺害されてしまったのです。

誘拐が起きてから5日後に、誘拐された場所から6キロメートルくらいの川岸で遺体が発見されました。

現在も、犯人は捕まっていません。目撃者が一人しかいなかったことから、手当たりとなる情報が少なすぎ、そのため捜索の進行が良くなかった。その結果、殺される前に探し当てられなかったということです。

AMBER Alertが生まれた

この女の子の遺体が発見され葬式が行われてから少ししてから、ある女性が良い考えを思いついたのです。竜巻注意報など悪天候の緊急速報が発信されると、テレビやラジオの放送を途切って大きな音を発し、緊急速報を流します。だったら、同じ方法で子供が誘拐されたら緊急速報を出したらいいじゃないかと考えたのです。それはいい考えだということで、事件が起きた地域を含むダラス・フォートワース地域では、テレビやラジオ局が警察と手を組み子供の誘拐が起きた時にテレビやラジオで情報を流すことになったのです。

AMBER Alertは、全米で使われているシステムです。このシステムのお陰で、2015年12月の段階で、それまでに800人以上の子供が見つかっています。誘拐犯は、AMBER Alertが出たと分かると、誘拐した子供を手放すことが多いようです。

AMBER Alertが鳴ったら、その情報を見ましょう。子供の命を助けられるかもしれません。たとえ自分がいる現在場所から遠い場所であっても、誘拐された場所から500キロ、600キロメートル離れた場所で子供が警察に保護されるということは珍しくありません。AMBER Alertが鳴ったらGoogleでAMBER Alertと検索すると誘拐された子供の写真や誘拐犯の顔写真など詳しい情報が見れます。

 

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