「タイムアウトにするよ!自分の部屋に行きなさい!」
映画やテレビでも子供が親に叱られタイムアウトさせられるシーンがよくあります。
タイムアウトは、子供が悪い態度を取った時に使われます。
アメリカでも子育ての中で大いに使われています。家庭だけでなく学校でも使われています。また、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が公式サイトでタイムアウトのやり方を教えるほどです。
私の子供が2歳から4歳の頃、「言うこと聞かないとタイムアウトになるよ!」と言っているお母さんをよく見かけることがありました。それが一緒に遊んでいたママ友であったり、公園など遊び場にいた知らないお母さんであったり。
「10、9、8、7、6…..」と10から下に下がって数えはじめるのが典型的。10数え終わるまでに言われたことをしないとタイムアウトになると子供は分かっているので、子供は大慌てでお母さんの言われた通りに動き始めます。その中には、「タイムアウトにするよ!」と言う日本人のお母さんも数人いました。
タイムアウトは、家庭だけでなくプリスクールや学校でも使われています。
私の子供がプリスクールに通っていた時、子供の話の中で、誰々が先生の言うことを聞かなかったからタイムアウトになったとか、悪い事をしたからタイムアウトになったと話を聞くことがよくありました。
小学校に入ってからも、先生におこられて誰々がタイムアウトになったという話を耳にしました。学校では、教室の後ろの角がタイムアウトの指定の場所となっているようでした。
私自身は、タイムアウトなんて馬鹿らしいとずっと思っていました。その理由は、自分の部屋に行って反省しなさいと言っても、おもちゃが沢山ある自分の部屋が反省できる場所になるわけないと思ったからです。オモチャで遊べるわけだから天国のようなものです。
しかし、ある日、私の子供に悩まされ、自分を落ち着かせるために家を出てヨガをやりに行った日のことです。その時のクラスのインストラクターに、私の7歳の娘から逃げて来たと冗談ぽく話したら、「タイムアウトが一番」と自信を持って言われました。今まで、タイムアウトなんて一度もやったことがなかったので、半信半疑ではありましたが、20数年間、二人の子供を育ててきたお母さんが薦めるくらいだから次回、タイムアウトが使えそうなことがあれば試してみようかなという気になったのです。
子供の年齢 x 1分 = タイムアウトの時間
タイムアウトの時間は、年齢 x 1分で、2歳なら2分、3歳なら3分とするのが良いと言われています。(そうです、タイムアウトは2歳の子供にも使われます。)基本的に5歳以下の子供には、1分から5分程度と言われています。そして、サンドラに薦められたように何もない壁に向って椅子を置き、そこに座らせました。ただ椅子に座って壁を見ていることくらい何てことないだろうと思いましたが、娘は辛くて泣き叫んでいました。壁をじっと見つめていて動けないし誰も口をきいてくれないのがよっぽど辛かったようです。それを見ている私も辛くなり、話しかけてはいけないと分かっていながらも「あともう少しだから」なんて慰めの言葉を言ってしまうし、結局は娘も私も7分もたず、途中でやめさせてしまいました。
タイムアウトの時間は、子供がもう少し大きくなると、「年齢 x 1分」よりもっと長くなりがちです。例えば、ホームアロン(映画)では、主人公のケビンは8歳で「ケビン!自分の部屋へ行って明日の朝まで出て来ちゃだめ!」みたいなことをお母さんに言われてしまいます。
先日、8歳の私の娘にタイムアウトとして自分の部屋へ行かせ、ホームアロンの映画の様に明日の朝までずっと一人で部屋にいなさいと言いました。娘は、ホームアロンの映画を観たことがあり、このシーンを覚えていたので、私に朝まで部屋にいなさいと言われてもそれが過度すぎるとは思わなかったようでした。でも、朝までなんてとてももたないどころか、5分ほどで、2階の自分の部屋から出て1階にいる私の所に来てしまいました。ごめんなさいと何度も謝っていました。可哀想だなと思ったけれど、対応してしまったらタイムアウトにならないだろうと思ったし、明日の朝までと言ってあるので、それを通さなきゃだめだろうと心を鬼にしました。それで、自分の部屋に戻りなさいと言って部屋へ送り返しました。すると、今度は、「お腹すいた―」と叫ぶ声が聞こえます。夕食の時間ではあったので、お腹が空いて当然でした。そこで、今すぐ食べさせられるものとしてサンドイッチと牛乳を部屋に持って行きました。私と主人が夕食を食べ始めると、話し声が聞こえるので下へ降りてきて私たちのまわりをうろうろしていました。話をしようとしたり、私に抱きしめてもらおうとしたり。一時的に親からの愛情を切られ、会話から外され一人にされてかなり辛かったようです。
結局、子どもが寝る時間になったら、私はタイムアウトを打ち切りました。何もなかったかのように、いつもの寝る前の時間に戻ったようでしたが、そう思ったのは私だけだったようでした。娘が、「体がフニャフニャしてるし、心臓がドキドキしてる」と、言ったのです。何で?と聞くと、タイムアウトで心臓がドキドキしてるんだと答えます。体フニャフニャしていると言うのは、身体の力が抜けてしまったという意味でした。娘にこう言われて、私は、酷い事をしてしまったと思いました。タイムアウトで娘の精神を不安定にさせてしまったし、精神的にダメージを与えてしまったと思いました。こんなことを繰り返したら、不安症になってしまうんではないかと怖くなりました。こういった事が大人になってからも大きく影響するので、気を付けなければなりません。
これが、私が娘にした2度めのタイムアウトだったのですが、もう2度とやらないと自分に誓いました。
タイムアウトは精神的に子供を傷めてしまう
この事があって、タイムアウトが子供に悪いという意見はないのだろうかと気になってインターネットで調べてみました。すると、タイムアウトは良い方法だと言う専門的意見だけでなく、子供に悪いと言う専門的な意見もあるということを知りました。
タイムアウトは、子供を落ち着かせる目的で、子供を会話から離して一人にさせる。お仕置きとして子供をぶったり、押し入れやクローゼットに閉じ込めるという方法と違って、タイムアウトは安全な方法と言われていて、60年代の終わり頃から心理学者など専門医が薦めています。
しかし、最近では、タイムアウトは子供に良くないという専門的な意見があります。
例えば、子供を集団から外し一人に隔離するというのは、子供の精神的な要求を無視することでもあるため、子供の精神的な成長にダメージを与えてしまう。
健康な人間は、人と一緒にいるのを好みます。人からの精神的なサポートや身体的なサポートを必要とします。ですから、人から隔離されてしまうと不安な気持ちや寂しさや恐怖感が大きくなってしまうと考えられています。
どうですか?お子さんにタイムアウトしていますか?
Soures:
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