アメリカで子供を育てるというのはどんな感じか?
アメリカと言っても地域によってどんな生活になるか、またどんな子育てになるか違います。例えば、比較的良い地域に住んでいれば、治安も悪くいないでしょうし、学区も良いはずです。こういった地域では、親が子供に四六時つきっ切りにならなくても、近所の公園くらい子供同士で遊びに行かせられるかと思います。
ここでは、地域に関係なくアメリカのどの地域でも一般的に言える事をまとめてみました。
1.仕事場での妊婦に対する差別から女性を守る法律がある
アメリカでは、職場での法律も細かく、職場での妊婦に対する法律も例外ではありません。妊婦に対する差別(マタニティハラスメント)がないように、法律がハッキリと定められています。Pregnancy Discrimination Act や Family and Medical Leave Actがあります。
こういった法律により、妊婦だからという理由で雇用を断ったり、従業員を首にするということは違法です。また、妊娠を理由に給料を下げたり職のポジションを下げるのも違法。1年以上働いた従業員は、12週間の産休を許可されていて、その間、その人の仕事は保証されている。つまり、会社は産休をとっている人の職を別の人にあげるということは法的に出来ないということです。
妊婦の権利を守るための法律は州別によって多少異なるため、従業員としての権利を知りたい人は、自分が住んでいる州の法律を調べてください。
日本では妊婦に対するいじめがニュースになることが度々あります。昔、私が読んだニュースがあんまりに酷すぎて忘れられません。日本のアパレル系で働く妊娠中の従業員が、上司に何時間も続けて店に立ちっぱなしで仕事をさせられるというの日が続き、お腹が張って辛くても我慢し、ついに職場で破水してしまった時も仕事中だからと病院へ行かせてくれなかった。すぐに救急車を呼んでもらえず、医療手当を受けられなかっため、赤ちゃんが死んでしまったという話がありました。こんな事がアメリカで起きたら、その鬼のような上司は首にされるどころか殺人罪として牢屋にぶちこまれるのは当然です。
アメリカの法律では、産休から仕事に復帰してからも、女性が授乳を続けられるように搾乳する時間と場所(トイレ以外)を与えなければいけないとなっています。
アメリカにはこういった妊婦を守るための法律があるため、アメリカで働く女性は安心できます。
2.公共の場での授乳は難しい
職場で搾乳する時間と場所を与えるという法律があり、会社の理解があるのにもかかわらず、公共の場での授乳となると話は別です。アメリカでは、公共の場で女性が授乳するというのはあまり一般的ではありません。一般的でない大きな要因は、公共での授乳に理解がない人がいるからです。「胸を隠しなさいよ」なんて言われたなんて話は少なくありません。例えば、数年前に知らない人に胸を隠すように言われた女性のリアクションが話題になったことがありました。
3.世間が子供に優しい、小さな子供と一緒の母親に親切
日本では、特に子供が小さいと嫌な目で見る人がいたり、世間が子連れを嫌がるということがあります。例えば、ベビーカーを持って電車に乗ったりした場合、誰も手を貸してくれないどころか迷惑な目で見られてしまいます。アメリカでは、そんなことは起きません。ベビーカーを電車やエレベーターに乗せようとしている女性がいたら、手を貸してくれる。また、笑顔で可愛いお子さんだねとお母さんに言ってくれる。知り合いの日本人が、「アメリカ人って知らいない子でも可愛いって話しかけてくれる」と驚いていました。
また、子連れで散歩していると、知らない人が話しかけてくれる、ということもよくあります。子供が一緒だと「かわいいわね」とか「うちの子と同じくらいだわ。何歳ですか?」なんて風に知らない人が話しかけてくるというのもアメリカではよくあることです。
子供の声がうるさいなんて苦情はない
また、子供が遊んでいる声がうるさい、あかちゃんの泣き声がうるさいという苦情を言う、言われるということはアメリカでは一般的なことではありません。例えば、庭で子供が遊んでいれば隣近所に笑い声やキャーキャーと声が聞こえるのは当然です。でも、近所の人はその声に腹を立てて「うるさい」と苦情を言うなんてことしません。もちろん夜中になっても静かにならないとなれば警察に連絡する人もいるでしょうが、近所がパーティーをやっていても夜の10時くらいだったらまだまだ早い、夜中の12時くらいまで我慢するのが一般的です。これに関しては別の記事でお話しようと思います。
4.共働きしていなくても子供を保育所に預けられる
アメリカでは6週間の赤ちゃんでもデイケアに預けられます。日本の保育所のように両親が共働きしているため子供の面倒が見れないという人ばかりが利用するのではありません。専業主婦でも毎日子供を預けるという家庭も珍しくありません。子供をデイケアに入れるための条件もありませんし、デイケアはコンビニの数以上に沢山あるため、どこも満員で入れないなんてこともありません。日本から来た駐在家族は、母親が仕事をしていないので子供の世話をする時間があっても、英語の習得のために子供をデイケアに通わせるというのが多い。
アメリカのデイケアについてはこちらの記事を読んでください。
5.先生が優しい、子供だからとバカにしたりパワハラしない
駐在家族などアメリカに短期間住んだ家族からよく耳にすることは、「アメリカの先生は優しいからアメリカの学校は好きだと子供が言う」「でも、日本の先生は厳しいから、日本に帰ったら日本の学校に慣れるまでが心配」。アメリカの先生は、生徒を自分の子供のように愛し、生徒にとても優しい。特に生徒がキンダーガーテンから小学生だと、生徒をハグするのは日常茶飯事で、生徒に対する優しさと愛情が溢れています。中学高校になると先生が生徒にハグするというのはなくなります。
また、先生が子供に対しても、一人の人間としてリスペクトして接する。これに関して、私の子供の学校の先生や放課後の習い事の先生を見て感心します。先生が生徒に「Hi. How are you doing?」と声をかけたり、「Thank you」と言う。こういった基本的な挨拶を先生の方から生徒にするということや、先生が生徒にリスペクトを持って接するというのはアメリカならではです。そのため、パワハラが起きない。
6.学校には、外国人生徒には英語を教える補助のクラスがある
アメリカでは家庭で英語以外の言葉を話している生徒は、英語力を十分つけるという目的で補助としての英語のクラスに入れなければならないシステムがあります。そのため、自分の子供が英語が分からなくても、そういったクラスで英語を教えてくれるので安心です。
7.気楽に公園で子供を遊ばせられる
日本の公園デビューのような心配はアメリカにはありません。初めて行く公園でも、他のお母さんに変な目で見られないかなんて心配は要りません。
関連記事:アメリカの公園や遊び場で子供を遊ばせる時のルールってある?
8.サッカーママになる
サッカーママ(soccer moms)とは、アメリカの中級階級で郊外に住む母親で、学校の後や週末に子供をサッカーの練習や試合に車で連れてゆくのに忙しいお母さんのことです。特にテキサスは子供のスポーツが盛んなため、野球やサッカーに3歳から入れる親も珍しくありません。サッカーママは、自分の自分の子供だけでなくチームメートも一緒に車に乗せて移動することもあるので、普通の乗用車ではなくSUVに乗るのが典型的です。
9.子連れが歓迎される
まず、子連れでは入れないレストランなんでアメリカにはありません。そんなことしたら差別だと言われてニュースになってしまいます。また、アメリカでは世間が子連れを歓迎を歓迎するため、レストランでは子供向けのメニューがあり、子供が無料で食べれる日がある所もあります。お祭りでもキッズコーナーを設けるなどしてキッズフレンドリーにする。このように子供をダメと断るのではなく、子供を歓迎してくれます。
10.子供の送り迎えが多い
アメリカでは子供が自分で運転できるようになるまで親が子供の送り迎えをするのが当たり前です。電車が走っていない地域だと車で送り迎えするしかないというのもありますし、徒歩や自転車で通える距離でも子供の安全の為に車で親が送り迎えする。学校の場合はスクールバスに乗せるか親が送り迎えします。日本から来た人で、子供の学校、塾、習い事、スポーツの練習の送り迎えに追われ自分はまるでタクシーの運転手みたいだと言う人がよくいますが、確かにそう思うのも無理はありません。逆に、日本に住む外国人が、日本の子供は一人で電車に乗ったり、交通の激しい街中でも一人で歩いて通学するので驚くようです。
11.高校を卒業したら家を出ていく
アメリカでは、子供は高校を卒業したら家を出ていくというのが一般的でもあります。子供が高校を卒業する日を待ち遠しく指折り数えて待つ親は珍しくありません。といっても、高校を卒業した途端に親が子供を追い出すという薄情な意味ではなく、高校を卒業したら大学の寮に入るかアパートに入れるという意味であったり、また高校後は家を出て自分で好きな事をしなさいという独立を意味します。でも、私の経験では、このタイプの親は中級階級以上の白人の親。移民家族は逆に子供を手放すのが嫌で家を出て行ってもらいたくないtめ、結婚するまで実家にいて欲しいと考え、子供もそれに甘えて大学を卒業した後も家にいる。結婚するまで親と住むという人は珍しくありません。日本のようです。
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